確実に尾行を行う技術をマスターする:徒歩編

尾行は簡単なようで難しい

2016年10月現在、100人以上の受講生をみてきました。同業現役探偵や新人研修も引き受けますから、その数は300人を超えているでしょう。特に、新人探偵の方々は尾行の難しさを痛感しているようで、慎重に尾行を進めようとしますが、撒かれないように距離が近く怪しいというケースが多いと感じます。また、何も知らない入学ホヤホヤの受講生は、「尾行なんて大したことはない。」「細かいチェックをすることは難しいかもしれないけど、見失うことはないはず。」という気持ちがあります。尾行のトレーナーは成功体験を積み重ねさせたり、学習効率の良いトレーニングを常に考えていますから、意地悪をして見失わせようとは微塵も思っていませんが、ほぼ100%、尾行開始から30分を過ぎたあたりで動きが怪しくなり、それから数分で見失ってしまいます。

単に尾行するだけでも、きちんとトレーニングをしていなかったら、ほぼ100%みうしなってしまうというのは、探偵界の常識です。例えば、人ゴミの代表といえば、「渋谷のスクランブル交差点」でしょう。ここの人ゴミで、何かに目を取られ3秒、調査対象者から目を離したとします。その場合、人ゴミの中から1人の対象者を見つけることはほぼ不可能な状態になっているでしょう。
他のケースで、電車を考えてみましょう。各駅停車しか止まらない駅へ向かおうと思っている時、当たり前ですが、急行には乗りません。ただその駅への乗降者数が少ない場合は、ホームに残る人数は限られます。こうした段階で、焦ってしまったら次の電車に乗り込めるでしょうか?仮に、その調査対象者が、トイレに行ってしまったら、待っているのは不自然に思われるでしょう。こうしたことは、自由に動き回ってしまう人を開いていにしているわけですから、往々に起こりうることなのです。

遊びで友達をちょっとだけ尾行してみようという経験は意外とあるようですが、その多くは数分のことです。実際の調査での尾行は少なくとも3時間、多くは8〜12時間の尾行を行わなければなりません。その分、判断すべきこと、様々なシチュエーションは多く発生するのです。

確実な尾行をするための基本

T.I.U.探偵養成学校の尾行トレーナーは、当初に受講生が持っている空間把握範囲をみています。これは、例えば、初めて入った部屋の大きさを把握したり、何があるかを記憶するなどと行った空間内を把握する力のことです。この能力には個人差があり、広過ぎても狭過ぎても調査適性としては問題となってしまいますが、まずは受講生がどの程度の範囲を把握できるかを確認して、尾行の距離感の初期設定をみるのです。

尾行成功の鍵は、距離感です。受講生の能力としてどの距離感が適切かをみた上で、その範囲に長短をつけて様々な距離感に対応できるようにトレーニングを行います。例えば、人ゴミで、調査対象者と尾行者の距離は短くなりますが、人気のない場所では、視認ギリギリまで距離を取るのが常道です。ただし、信号が多数あったり、路地や住宅街で距離をあけすぎると、見失ってしまうだろうと予測ができる場合は、調査対象者が警戒しない位置まで距離を近づけるのです。この距離感は、調査対象者に合わせたり、調査地の環境に合わせるため、尾行者としての探偵は、短い距離でも長い距離感でも対応できるスキルを身につけていなければなりません。

目切りをしない

「目切りをしない」とは、「対象者から目を離さない。」ということです。多くの尾行失敗の原因は、この「目切り」と言えます。ただし、調査対象者を「凝視」すれば良いというものではありません。人には何かの第六感のような能力が大体備わっており、誰かに見つめられ続けると、「視線を感じる。」のです。視線を感じ、振り向いたら、誰かがいたというだけでも「怪しい。」と思うのに、「目を背けたら」完全に不審者です。ですから、それとなく見ながらも、目を離さないという練習を積み重ねる必要があります。

長時間の集中力

上記のように、距離を考えた徒歩尾行では、歩速などでの距離調整が必要となったりしますし、目を切らないというのには、精神力を背景にした集中力がなければなりません。さらに、周囲の人に怪しまれてもいけないため、ある程度の散漫力を持って、周囲警戒をしながら、その一方で、対象者には、集中するということが必要になるのが尾行の基本です。散漫しつつも集中を持続するというのは、普段の生活ではあまり経験することではありませんから、トレーニングの一環として慣れていくことで、自然とできるようになります。

T.I.U.探偵養成学校は見極め制を採用

T.I.U.探偵養成学校では、担当の尾行などの実習トレーナーが、事前に基準がある各段階の調査レベルとスキルを見極め、段階制でスキルの向上を積み上げる形で実習を行っています。ですから、個人差のあることでも、各受講生のレベルにフィットした適切なスキル習得が可能となるのです。