婚姻破綻と浮気調査

探偵調査業の中で、やはり最も多い調査依頼は、浮気調査です。
この浮気調査は、調査現場においては、「尾行」「張り込み」「撮影」の3つの行動が基本となりますが、調査現場だけが探偵の仕事ではありません。

証拠を取っても意味がない場合:婚姻破綻

例えば、行為自体は浮気、けれども問題とならないケースがあります。これが、「婚姻破綻」している場合です。
この「婚姻破綻」とは、別々の寝室だからとか、肉体関係がないとか、単に別居しているからという理由では、成立しません。
これを自分のイメージのみで、判断し、婚姻破綻している状況を、別居という形で無理やり作り、浮気を繰り返す調査対象者がいますが、
そんな簡単に婚姻破綻はしません。

しかし、別居して10年、婚姻費用(生活費)はきちんと支払い、その一方で、互いに干渉することもなく生活してきたという場合は、婚姻関係は事実上形骸化していて、婚姻関係は破綻しているとみなすという結論が生じる可能性が極めて高いと考えられます。

有責主義から破綻主義へ

離婚はかつて有責主義という考え方が採用されていました。この「有責主義」とは、離婚請求(法律でいう請求は裁判、訴訟のこと。)できる条件にあたる行為をした側が、悪いというもので、浮気をした側からの離婚請求は認めないという考え方です。
ですから、浮気をされた側が「離婚しません、生活費をちゃんと入れてください。」とか「離婚はしません、帰ってきなさい。」という主張がしっかり通るというものです。
しかし、これでは、実態に沿わないという反発がありました。そのため、近年では、「破綻主義」が考え方の主流となっています。
例えば、上に挙げたような10年以上別居していて、互いに干渉していないとなれば、外から見ても夫婦の体はなしていません。ですから、この場合は、婚姻関係が破綻しているとみなして、事実上、離婚しているのと同じような状態を肯定するという考え方です。

つまり、この破綻状態となっている事実が認められれば、浮気行為やすでに新たなパートナーが存在しているとしても、それ自体が違法行為とはならないことを意味しています。

意味のない証拠を取るために数百万取られたら、消費者被害です。

探偵の調査料金は、その職種の性格上、時間従量制、1日動く場合の最低費用などが存在します。2016年における最低水準は、1日2名の調査員が動く場合で8万円前後でしょう。浮気の証拠と探偵がういう場合は、「不貞行為」を指します。「不貞行為」とは婚姻関係にある男女が配偶者(夫や妻)以外の異性と肉体関係を持つことです。ちなみに回数は関係ありません。1回で不貞行為はアウトです。
この調査を例えば2週間行ったとします。
2週間(14日間)も調査をすれば、簡単に100万円は費用として飛んでいきます。
探偵の職種上、こうした費用帯は、相場相当であって、高いとは思いませんが、世間一般で浮気調査に100万円といえば、相当な高額に感じるでしょう。
ただ、別居して10年、顔も合わせたこともこの10年ないし、どこに住んでいるかも知らない、職場は知っているけれどそれ以上は関心もないという前提条件があったとします。探偵側は、「探すのも大変だし、今の生活リズムもわかりませんが、浮気をしていればきっと慰謝料も取れますよ。」というような趣旨で説明していた場合、探偵が法の専門家ではないから「婚姻破綻が浮気の事実を無効にしてしまう。」ということを、知らなかったとしても、業者として、当然知っていなければならない内容であるとされます。
業者=プロですから、関連する法令や判例は、少なからず知っていて当然というのが、その考え方の根底にありますし、この場合、消費者保護が優先されるのが法です。
つまり、知識が不足しているということは、消費者被害を起こしてしまうということなのです。

最も依頼数が多い「浮気調査」で会っても、関連する法令や判例、というのはよく勉強しておく必要があるでしょう。
探偵になってからでは、現場や雑務、報告書作りなどに忙殺されて、まともに勉強する時間を確保することは難しいと言えます。探偵学校で学ぶのであれば、やはり、基礎知識のみならず、実務上、必要な知識をしっかりと学べる学校が良いはずです。